Cat's Brand ~ライブorアルコール~

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KOTOKO 1st album「羽 -hane-」レビュー

(注・旧サイトからの移行データです)


8/8のKOTOKOタンライブ、行けるかどうか雲行きがひじょーに怪しくなってきました(;´瓜`) 某所で某イベントがあるせいで、休みが潰れる(仕事で)可能性大。うう……困った、弱った。どうやって風邪を引こうか検討中(ぉぃ)。いやマジで冗談じゃないっすよ。この間のイベントライブで期待度が異常に上がりまくり、どうにもこうにも今から楽しみで楽しみで、今から新木場への最短時間を調べてる始末。あー、もう行けるのが確定するんだったら夏休みなんて要らんわ!もともと夏休みなんて無いところがミソですが(;´瓜`)


 そんなわけで、そろそろ1stアルバム「羽 - hane -」の詳細レビューを書こうかなと。CD100回聴いたので(笑)。




1.Introduction
 聴けば聴くほどこの曲の重要性が分かる、そんな導入曲。ただのイントロではマズくて、目立ちすぎてもいけない、そして明確なメッセージ性を持つ「適度な強さを持った風」を感じさせる素晴らしい曲です。これはイベントライブででもそれを再認識させられました。ただ、この曲と次の「Asura」の繋ぎという部分で、単純にボリューム合ってないのが勿体無いです(笑)。

2.Asura
 唯一のライヴ感がある曲でしょうか。「疾風雲」もそうだと思ってたのですが、実際にはそれほどでもなかったので。それはそうとこの曲、オリジナルアルバムとして一番求められていた曲調のものでしょう。個人的にもこの曲と、もっとアップテンポの曲が欲しかったのですが、アルバムとしてのバランスを考えると他に入れる場所がないですね(苦笑)。というわけでこの曲、KOTOKOタンが一番輝くネガティブ調の歌詞と音楽(笑)、好き好きです。ただ、上で書いたとおり、1曲目とのボリュームのバランス……これはKOTOKOタンの声量の問題でもありますが、そのところが改善されればなお良かったとは思います。

3.冬の雫
 こういう構成では大体3曲目は落ち着いた曲が来ます。その上で、ありあまる破壊力。2曲目と3曲目のギャップがKOTOKOさんの魅力のひとつですね。『あの瞬間を懐かしむのは 臆病なのかな?』にグッときました。それに、雪国出身じゃないと感覚的に分かりづらい部分がいい味を出してます。雪が包み込むのは、この世の全ての物事なんですよ、と。例外はありませんね、確かに。雪の本質をよく思い出させてくれた1曲です。

4.疾風雲
 「空を飛べたら…」にも入っていた1曲。高瀬氏のアレンジで見違えた、名曲中の名曲です。私はKOTOKOさんの曲の中でこれが客観的に見て一番だと思ってます。このアルバムの主題曲「羽」を、もっともっと突き詰めるとこの曲になるんだろうなぁ、と。KOTOKOさん本人もおっしゃってましたが、等身大ですね。等身大すぎて逆にマイナス方向に走ってしまう危うい曲ではありますが、これはもうKOTOKOさん自身が一生かけて作り上げていかなくてはならない、歌うたびにその居場所を確認できる、そんな曲だと思います。止まない雨はない、その通りですよ。

5.Gratitude 〜大きな栗の木の下で〜
 このアルバムの裏タイトル曲。この曲の優しさが大好きです。「人間」という文字と意味を的確に表している、何ていうか……普遍的な、故郷というか、帰るべき場所のような、素敵な曲ですね。この雑味のないむず痒さもKOTOKOさんの魅力でしょうか。このアルバムの名実ともに土台です。

6.幻影
 位置取りはいい、内容も文句無し、しかしちょっと勿体無い曲かなぁと思いました。ただ目立たない曲で終わってしまいそうで。この6曲目と、7曲目もですが、重さが欲しかった気がします。女性アーティストには酷ですか?(笑) う〜ん、どちらかアカペラとか、そんな感じのイメージが私にはあります。

7.痛いよ
 ぱっと見た曲名とのギャップが素敵。聴いてみて納得できる曲です。6、7曲目共に「聴かせなければいけない曲」である以上、イベントライブで練習気味に歌ってもよかったんじゃないかと(笑)。歌い手としての真の実力が問われますね。ちなみにこの曲に共感できる歳は少々過ぎました私(爆)。若さが溢れる曲です。懐かしい……。

8.ひとりごと
 実は前からあまり好きじゃない曲です。個人的に合わないんでしょうね。ただアルバムのバランスとしては無くてはならない曲で、どの曲調にも似ていないことでこの位置取りは素晴らしいです。この位置はシングルA面、それもバラード曲でいくべきところであって、KOTOKOさんがこの曲をここに持ってきたのであれば、それは本人がいかにこの曲を大事にしているか、ということなので私なんかがとやかく言える立場じゃなくってすっこんでろってことで。すみません。

9.声が届くなら
 ストレート。ど真ん中。最初はあざといとか思ってしまったのも事実ですが、聴けば聴くほどそれがアピールじゃなくって本心中の本心なんだと分かりました。そうなるとこういう曲は強いです。どの曲よりも。「明日の朝 目を開ければ また少し歳をとり」の部分がすごく好きです。永遠なんて時間はなくって、移り行く時の中で歌うことの尊さ、喜び、そしてそれが自分自身と同等なのだという、正に歌い手としての心が篭った1曲。まだ聴き足りない曲でもあります。ライブでも楽しみですね。

10.Lament
 難しい(笑)。個人的には本能で感じて歌ってた印象のあるアルバム「Lament」内のヴァージョンが好きです。未完成の危うさが逆に魅力になってたというか。このアルバムのほうは逆に洗練されすぎて少々物足りないと思う面があります。やっぱり難しい。これからいかに消化、昇華できるかがポイントかもしれません。そういう意味でも異彩を放っています。

11.足あと
 極個人的に、このアルバムでNO.1! インタビュー記事とかでも「同年代の人に感じて欲しい」とありましたが、正にそのとおりの1曲。人生における「通過点」をこれ以上ないって表現で描いた名曲です。歌詞はやはりストレート気味ですが、それは真摯な気持ちの延長上で。「遥かに見えた憧れの地に 僕らは近づいているかな?」「夜があければ また動きだす日々に今はのみ込まれても」等々、もう共感できる表現ばかりです。向上心という表現だと、どうしても野心、野望というイメージがあり、それはちょっと違いますね。もっともっと純粋な思い。例えば、空を見上げて、自由に飛んでみたいという感覚。ホントにこのアルバムのコンセプトに最高にマッチした1曲です。

12.羽
 主題曲。「疾風雲」と「羽」、ベクトルは同じと言えます。前者が周りの空間であり、後者は自分自身。そういう意味ではその2曲は表裏一体ですか。「Gratitude 〜大きな栗の木の下で」も表裏ですから、本当にこのアルバムは多次元的構造で、纏まりがいいです。この曲については……懐が深いというのが適当か。ストレートなんだけど、幅があるんですよね。「足あと」は思いをぶつけて、「羽」は思いを全部受け止めて、そんな感じです。キャッチャー?(笑) 正に最後の決戦→エンディング的な1曲。

13.カナリヤ - SORMA No.3 Re-mix -
 レビューが一番難しい曲です(苦笑)。曲調はともかく、歌詞を見るととてもEDにふさわしい曲ではありませんから。でもまとまってるんですよね。それは「未来」の見える曲だからでしょう。決して楽観的な行方ではない、でも先は確かに存在する、という表現が逆に説得力を持たせていると感じました。この曲のおかげで余韻が残ります。また、アルバム全体をリピートで聴いても違和感が無いという素晴らしさ(笑)。締めとして文句無し。


 総括として。普段ゲーム主題歌として聴いている曲のパワーを求めるとがっかりするのは当然。だってそういう風につくってませんから。口当たりのいい音楽でなく、本当に伝えたい、書きたい、歌いたいものが詰まっているアルバムだと思います。聴いていて飽きないってのは重要。そういう点で評価できます。ただ、純粋なヴォーカルとしての能力……例えば声量などはまだまだだなと感じるのも事実。技術的な上手さ、巧さに囚われて本来の持ち味を無くすのは問題ですが、もっと「上手く」なってほしいと思います。こればっかりは先天的なものもありますが(;´瓜`) 次のアルバムも期待してます。ゲーム主題歌を絶対に入れないで、完全オリジナルでこのままいってください。ついていきますよ!!