Cat's Brand ~ライブorアルコール~

ライブと酒とその他日常ネタです。

「マリア様がみてる」仮面のアクトレス購入&読了(間接ネタバレ)

 展開が遅いと焦れる前に、感じるべきことがあるはず。


 丁寧に、丁寧に積み上げられ、編み上げられる物語が個人的には好き。場当たり的な驚きのみとか、意外性だけで占められた物語にはどこかに破綻があるような気がします。それゆえ、ミステリーミステリーした作品はどうも性に合わない。個人的には…意外性とは、積み重ねられた伏線によるものであり、なおかつ“日常以内”での発露であるべきだと思うんですよ。そういう意味で今作は素晴らしい出来。安心安定とはまた違う何かに彩られた「マリみて」は、やはり大多数の支持を受けるだけの魅力を持った作品だと確信した今作です。

 「黄薔薇、真剣勝負」 久々に、やられたーっって感じたエピソードです。3学期始業式の2ヶ月後に待ち受けるモノを究極的に特化したお話。全体ではいろいろな要素が詰め込まれていますが、ホント究極的ですよね〜。最後の2行のためだけに、実に贅沢な物語。すげー好きだ。久々に良い短編小説を読んだ気がする。

 「仮面のアクトレス」 本編。超ネタバレ上等?でぶっちゃけちゃえば、レイニーブルー止め(|| ゚Д゚)トラウマー 登場人物それぞれ、様々な思いが交錯する中…どうにもならないことにどうしようもなく足掻く祐巳の姿に感情移入しまくりで。伏線自体が「レイニーブルー」あたりから張られているところに、作者の巧妙かつ恐ろしさが垣間見られますが(笑)、それをどう纏めていただけるのか楽しみで仕方ない!

 「素顔のひととき」 実にマリみてらしいエピソード。いわゆるザッピングストーリーで…祥子と令のやりとりがメイン。凄くいい空気を感じられます。祥子の“妹らしさ”というか何というか。見せられない何かを見せる作りは、もう「マリみて」の真骨頂でしょう。いつか第1巻の祥子サイドストーリーを期待しつつ、今回の絶妙ぶりに感動ですよ。