「秒速5センチメートル」感想について補足事項。
まだまだ書けていないことが沢山ありすぎて困ってしまいます。とりあえず新海監督のトークショー&ティーチインでの公式発言だけ補足を。
・タカキのラストは、必ずしも不幸だとは思っていない。
・ハッピーエンドで終わらせることも考えたけれど、自分にしかできないエンドはこれじゃないか、と思ってこの結末にした。
・カナエの想いは薄々分かってはいるけれど・・・。
・タカキもアカリも、岩舟での再会を「別れ」と考えていた節がある。
・上記が前提となり、手紙のやりとりが疎遠になっていった理由のひとつになる。
・第2話で、「夢」の中の女性が最後にだけ振り向くのは、ロケット打ち上げも含めて・・・タカキの中でアカリへの想いがぶり返した結果。
最後のは、私が直接ティーチインで質問した内容です。それも含めて・・・監督はタカキとアカリについて、どこか“彼らの思いを推測して”語っている印象がありました。要するにそれは、キャラそれぞれの意思を映像の中に任せている面があるということで、悪く言えば投げっぱなしでしょう。でもそれに対するフォローが、と言うか訴えるものが、視聴者の過去の経験に寄らせる技術が卓越しすぎて俺泣きそう。そういう部分で、ものすごく小説的だなぁと私は思うわけです。行間を読む楽しさ。投げ捨てているのではなく、キャッチボールとなっている。もちろんラストは作者のエゴがバリバリ伝わる。それで良い。私はそう思いますよ。
ついでにサイン会の模様をまったくお伝えしてませんでした。コミックスウェーブの方と2名でまずは監督がトークショーみたいなカタチで30分ほど。作品自体の話題は過去のティーチインなどで尽きてしまったようで、パッケージ化などの話題でした。監督がニコニコ動画をよく見ているとか、出身の長野のCMの動画を手がけているとかいう話題であっという間に過ぎました。その後サイン会で・・・私は比較的前のほうだったのですが、すでにサイン会自体4、5回行っているので何となく知られているというか(笑)。限定版DVDパッケージに直接サインをいただきました。その後おもむろにケータイを取り出し、取り込んだ「秒速」を観てもらいました。「通勤のときよく観てます」と言ったらすごく喜んでいただきましたよ。前々から「日常のちょっとした隙間に観てもらいたい」と監督もおっしゃっていたので、そのとおり実行したまでです。いやホント、10分あったら第3話観て感動できますし。
というわけで、いろいろありますが、やっぱりオススメな作品には変わりありません。買え。