Cat's Brand ~ライブorアルコール~

ライブと酒とその他日常ネタです。

劇団☆新感線公演「乱鶯」2回目観てきた(ネタバレあり)

 弁当美味い(挨拶

 

 いやまあそれは置いといてw 東京公演2回目、こちらはVAC先行で取ったチケ、良席だといいなぁと発券したら前回とほぼ同じ位置取りという。おおむね超良席でよろし。平日昼間ということもあり、空席も若干あるかなぁ。逆に言えば、本当の好き者しか集まらないので、実に快適な観劇でした。遅れてくる不届き者もほとんど居ませんでしたし。

 

 舞台自体は、前回と大幅に違うとか、アドリブ的な違いとかもあまり無かった感じです。笑いのタイミングもほぼ同じ。そういう意味ではとても安心。

 

 さて、ここからが本番。がっつりとした感想を。

 まずは、古田さんの殺陣がキレッキレでしたw 前回が超お疲れモードに見えたので、増幅されていた感が。こなれていたとも言えるか。もちろん歳相応のものかもしれん。けれど、あの存在感、役者感、座長感は唯一無二のもの。古田新太という存在は舞台上にあると言い切れる、あの色気は・・・変わらず素敵。

 物語は、十三郎の生き様そのもの。盗みにしくじり堅気になっても盗賊のプライドが捨てきれず、結果周りを不幸にして自分は生き残る。物凄い片面しか観ないとそういう感想になるかw 堅気になったきっかけの盗みも陰謀だったのを匂わせておいて、自身の力の届かないところでうねる因果が本当に面白い。稲森さん演じるお加代さんには誠実なのに、息を吐くように嘘を重ねる十三郎が素敵すぎて悶絶。いや全般的に嘘まみれですが、それをおくびにも出さない、生き様があまりにストレートで素敵すぎて・・・超弩級の畜生として描かれる、じゅんさん演じる火縄の砂吉とたいして変わらんと思う俺は異端なのか。

 だからこそ、同族嫌悪。大東くん演じる勝之助に手柄を取らせたいという思いが、嘘で塗り固められた手段になり、その嘘を白状して最後の詰めを見誤ったのがどうしてももどかしい。十三郎にとっては嘘と真実は価値観に違いの無いものじゃなかったのかもと思いました。一度として嘘を取り繕うシーンがなかった、息をするように嘘をつく、それはある意味彼にとっては真実のひとつだったんんじゃないか。そう感じてしまいました。それは最後のシーンにも現れます。

 絶対に許せない存在としての黒部を誅するため、お加代さんを先に送り出す。あれは超絶級の嘘つき。幸せの障害でもなく、部下や勝之助達の復讐でもなく、自分自身のために、後先は考えないあのシーン。自分の家である鶴田屋で、抜き身の刀に酒を吹き付け黒部を待つ姿。

 

超格好いい。

 

一部70分、二部110分のトータル全てがあのシーンだけに込められているような気がしてなりません。時代劇は勧善懲悪、復讐劇が基本ですが、あのシーンだけには・・・オーバーフローな感情が花火のように打ち上がっていて最高でした。あの一点だけに外連味が集中していて、ホント最高。痺れました。

 

 

 まあ、感情論だけで語りましたがw もう一度観てもいいかなと思えるくらい面白かったです。東京千秋楽も仕事なかったら何とかして行ってたかもw 大阪には、ちょっと金欠なのででで。

 

 そして、また限定お弁当買ってきましたよ。場内最後の一個を確保。持ち帰り酒といっしょにいただいて至福。新橋演舞場最高すぎて、またの機会を楽しみに待ちたいと思います。